話題の「女帝小池百合子」読みました。
いやー、期待を上回る面白さでした!
都知事選控えて、都民の有権者の方はもちろんなんだけど、それ以外の方にも超お勧めしたくなる理由3つ。
石井妙子さんの言葉のチョイスや文章が面白くて、本として面白い
著者の石井妙子さんの言葉の選び方がもう最高なんです。本を読みながらこんなに笑ったの久しぶりでした。
全体通して、冷静なトーンでニュートラルにまとめられてるのですが、だからこその面白さなのかな。
やめて、思わず笑ったわ。裏取ってないから、本当ならゴメンナサイ案件だけども。 #女帝小池百合子 pic.twitter.com/1UzgguhfgK
— みっき (@mikki_jp) June 13, 2020
パフォーマンス優先の政治家を選びがちな私たち有権者も反省が必要
小池さんは見せ方が上手で、ポピュリストだな、パフォーマンスがかってるな、といった印象は持っていたけど、この本を読み進めるにつれて、彼女にはそれしかなく、政治に対する信念などないのではないか、といった疑いが強まります。
コロナでの安倍政権の対応で納得いかないことがあまりに多い中、「小池さんもパフォーマンスがかってるけど、こういう環境だとポピュリストな一面が都にとって良い方向に働くかも」なんて思う瞬間もありました。
本書では、彼女がいかに作り上げた敵を攻撃して人気を取るのかが様々な形で伝えられます。もうこれは悲しい人間のサガというか、仕事などの人間関係をはじめ、特定の国を攻撃して人気取りをしようとするのは多くの国の指導者が行っているし、有効&即効性あってよく使われるのは仕方ないことだと思いますが。
しかも、応援が欲しい時には威勢のいい事を言って近づくけど、後からそれを平気で反故したりってエピソードが複数出て来ます。
ぶっちゃけ普段平和に生活してる時って、政治家の仕事っぷりってあまり自分の生活に(即座には)影響ない気がしてしまって、私もここ数年でこそ選挙は行くものの、これまで政治への関心も知識もロクになかったです。
でも例えば今回のコロナとか、この本に出てくる築地・豊洲の話とか、本当に困ってる時に、パフォーマンスに利用だけされてその後知らんぷりなんてされたら、本当に悲しくて辛くて悔しくなります。
私たちはついつい、分かりやすくて耳障りが良くて、革新的な言葉を発する人に引き付けられやすいんだな、と考えさせられます。そのこと自体は悪いことではないと思うけど、その人が本当に実行するのかまでしっかり見届ける必要があると感じています。
もちろん判断を見誤る時だってあるだろうけど、それを後から修正することだって可能なので、その時々で自分の信じるベストの選択をするのが一番なのかな、と考えます。
私のように政治に関する知識の積み上げがない場合、偏ったり切り取られた一面だけ見て判断しがちですが、それでも一歩引いて判断することを意識し続けたいし、有権者として責任も持っていきたいです。
(これは政治に関してだけでなく、環境問題などに関しても同じ考えです)
メディアの有り方への疑問
この本で改めて感じたのが、メディアへの不信感でした。
小池さんは見せ方もうまいし、メディアが注目するのも分かりますが、彼女のパフォーマンスを配信するだけでなく、もっと追及できるところはあるのではないか、と感じます。
そしてカイロ大首席卒、アラビア語が堪能、という事に関しては、裏も取らずに、こんなにも情報が先歩きしてしまうのか、とある意味感心しました。
時代が違うし、政治家だったわけでもないからそんな物なのかな。ネットもなかったし、海外、ましてや日本人も少なそうなエジプトなら大丈夫と思っても不思議はないのかも知れません。
正直、彼女がカイロ大学を首席卒なのかは、気にしている人は少ないのではないでしょうか。どうやら首席はおろか、卒業したのも嘘の可能性大、といった状況でいつまでも嘘をつき通そうとしている、その姿が信用を失っているように感じます。途中で、「誇張してしまいましたが、本当は中退なんです」とか修正できなかったものなのか。
ある情報を発信するか、しないか。する場合、どのような視点で伝えるか、などメディアの役割は本当に大きいと思うんですよね。そして、今のメディアが役割を果たせているか私には大いに疑問です。
まとめ
本として面白いだけでなく、自分たちが政治家をどう見極めるのか、など改めて考えさせられる一冊でした。
ゴシップや暴露本っぽさはなく、一筋縄ではいかぬ生い立ちなど丁寧に描かれています。
話題の女帝小池百合子買ったから読むの楽しみ!むふふー。小池さん自体好きでも嫌いでもないのだけど、ポピュリストでパフォーマンスがかってるイメージ。とは言え彼女の事よく知らないので、読み終わったらどんな風に感じるのかも見ものだな。
— みっき (@mikki_jp) June 12, 2020
読み終わって、やはり好きでも嫌いでもないけど、私の中での彼女の人物像は、人を裏切って、しかも時にあえて傷つけて、嘘がポンポン出てくる人なんだろうな、といったものになりました。同時に可哀そうで孤独な人なんだろうな、という印象もあります。
私は筆者の文章がすごく好きで面白かったので、都知事選関係なく読み物としてお勧めです。
こちら紙の本は定価1,650円(税込)だけど、品薄なのでAmazonやメルカリでは定価以上での販売が散見されます。(2020年6月16日現在)
私は一度読めればいいや、と近所の本屋で買ったのですが、想像を遥かに超えて面白かったので今となっては電子書籍で買っても良かったです(電子書籍は1,500円税込)。

サンプルだけでも結構なページ数読めるので、ご興味ある方はまず無料でサンプルだけチェックしても良いかも。